題詠blog2011

022:でたらめ(那緒)

君がため婚姻届に印を押す。でたらめな日の、それがはじまり

021:洗(那緒)

投げ込めば洗濯物と名付けられ自転はじめる給食袋

020:幻(那緒)

幻覚と言い聞かせては凝視する地獄絵図あり画面の向こう

019:層(那緒)

この仮面三層構造となります上から笑顔、素顔、泣き顔

018:準備(那緒)

去る為の準備をしようあなたから私を奪う怒らないでよ

017:失(那緒)

急速に失われていく体温をジップロックに詰めている君

016:絹(那緒)

開けるまで崩れないならそれでいい絹ごし豆腐みたいな心臓

015:とりあえず(那緒)

液体の黒に飛び込もうとしている砂糖にとりあえず待てを告ぐ

014:残(那緒)

悪気なく缶に残されるコーンからささやくような電波「さよなら」

013:故(那緒)

とてつもない境に立っているもので体内時計が故障しました

012:堅(那緒)

堅パンをかじれるならばまだ平気 非常食ではないものとして

011:ゲーム(那緒)

人生をゲームと思えばアイテムが落ちてるような気がしませんか

010:駆(那緒)

駆け引きに頼らないひと 毎日のごはんおいしく食べているひと

009:寒(那緒)

寒ければ寒いほどいい 君の手に近づく理由になれよ雪とか

008:下手(那緒)

下手なこと言えないでしょうあなたには 石ころ舐めてるみたいな夕べ

007:耕(那緒)

ペンという鍬にて耕した大地に虚空を満たす短歌が育つ

006:困(那緒)

困惑の表情浮かべるあなたから「めんどくさい」を受信しました

005:姿(那緒)

姿見がとらえたぎこちない笑みが駅ビル3階ジャケットを買う

004:まさか(那緒)

いまさかさ吊りの神様目にしたら即死するってうわさ信じる?

003:細(那緒)

またひとつ毛細血管詰まってる指先でまたポテトを運ぶ

002:幸(那緒)

幸せと不幸せとの間には国境があり旅券を求む

001:初(那緒)

初雪が積もりたがって泣いているとけては水になってまた泣く

題詠blog2011に参加します。(那緒)

初参加です。よろしくお願いします。